書籍作りについて

ISBN・日本図書コードとは?大事な本ほど付けるのをおすすめする理由

逆旅出版

「旅人にとっての宿(逆旅げきりょ)のような、人生の休憩場所や分岐点をつくる」を理念として、制作・出版業を行う逆旅出版です。

逆旅出版では本屋に並べる以前の「書籍を作りたい」という段階からご相談にのっているのですが、打ち合わせの中で気持ち的にも予算的にも本気なのだと感じた時には「ISBN・日本図書コードの発行はどうしますか?」とご案内しています。
ただ、初めて書籍制作に関わる方からすると、そこまで聞きなれた単語ではありませんよね。

そこで今回は

  • ISBN・日本図書コードとはどういうものなのか
  • ISBN・日本図書コードはつけるべきなのか
  • ISBN・日本図書コードは個人で発行できるのか

などを解説します。

ISBNとは

まず、ISBNの正式名称は国際標準図書番号(International Standard Book Number)。
2011年の時点で世界117の国と地域で発行される書籍に使われている番号です。これには書誌情報(どこの国で、何という出版者が発行した、何という書名の書籍か)が紐づけられていて、書籍の取引や図書目録の作成に活用されています。

書籍の裏表紙や奥付ページに「ISBN978-4-……」という形で印刷されているものがありますが、これは国際標準のISBNコードと、日本が定めている日本図書コードが組み合わさったものです。

ISBNを付けられないもの

補足ですが、ISBNを付けられないもの・ISBN以外の別コードが用意されているものも存在します。

雑誌、宣伝、広告物など短期的に利用される冊子・印刷物
手帳、日記、カレンダー

楽譜印刷物(ISMNを付与。詳細はISMNコードセンターにお問い合わせください。)
扉も本文もない1枚もののアートプリント複製物、ポスター・カード類
音楽CD、映像DVD、ゲーム
個人的文書(履歴書、個人情報など)、原稿そのもの。
電子掲示板、Webサイト、ブログ、電子メールなど

日本書籍コードとは

先ほど、「ISBN978-4-……」という番号は国際標準のISBNコードと、日本が定めている日本図書コードが組み合わさったものだとお伝えしました。

正しく言うと、国際標準ISBNに、日本独自の国内基準である図書分類記号と価格コードを付加して作ったものです。

ISBNが国際的なもので、日本書籍コードは日本特有のもの。
「ISBN978-4-……」という番号は両方が組み合わさったものなのです。

どちらにせよ、出版社は新刊をつくると同時に「ISBN978-4-……」という番号を発行します。つまり、ISBNコードと日本図書コードを両方つくるということですね。
これで、世界中で発行されている公式的な書籍の1冊になるわけです!

書籍JANコードとは

そして、「日本図書コード」を2段一組のバーコードにシンボル化したものを「書籍JANコード」と言います。
書籍JANコードは書籍の裏表紙に印刷してあり、書店などへの流通ではほぼ必須。AmazonなどのECサイトで売る場合も、つける必要がほぼあります。
もしこの書籍JANコードによって管理されていれば、書籍がとても売れた場合も他の書店が検索し察知することができますから、新しい注文につながる可能性があります。

ISBN・日本図書コードは個人でも取得できるのか

結論から言うと、ISBN・日本図書コードは個人で取得できます。そのため、「出版」記号とされています。

その際、一度に取得するISBNの個数に応じて料金が異なります。詳細は料金は以下の通りです。

ISBN数料金詳細
1個8,000円+税新規登録料 7,250 円+税
国際本部運営資金 750 円+税
10個20,000円+税新規登録料 18,000 円+税
国際本部運営資金 2,000 円+税
100個37,000円+税新規登録料33,000 円+税、
国際本部運営資金4,000 円+税
ISBN出版者記号の料金表

2018年4月2日に日本図書コード管理センターが発行しているISBNの料金が改定され、1冊からISBNを取得できるようになったので、比較的とりやすくなったとも言えますね。

ただ取得には日数がかかりますし、出版者名などの登録が必要です。
また、書籍に卸すための書籍JAN(2段バーコード)の登録申請料は最新決算年度(個人の場合は直近1年間)の年間売上高によって変わります。
基本的には1番下の1億円未満(Eランク)で、10,000円+税となるかと思います。こちらは3年毎の更新が必要です。

こういった半永久的な費用がかかってしまうという点からも、すでにある出版社にISBNコードの付与を依頼する方がまだまだ現実的です。
(「ISBNコードを自分の書籍に付与したい」といったご相談は逆旅出版でも受け付けていますので、お問い合わせフォームからぜひご相談ください!)

ISBN・日本図書コードを付けるようおすすめする理由

書籍の良さは色々ありますが、個人的には「時を越えて読んでもらえること」かなと思っています。

私はもともとWebで活動していた人間なので、インターネットも大好きです。
ですが、書籍は書籍で「書いて・編集して・読まれる」流れに時間がかかり何度も推敲されるからこそ、「当時の歴史が反映される」という魅力があると思います。
(だからやっぱり歴史を学ぼうと思ったら本を読む研究者が多いですし、自分の知見を一冊の本にまとめたいという方が後を絶たないのではないでしょうか)

ただ、そんな時を超える魅力があったとしても、形があれば紛失の危険性があります。

昔、お気に入りだった絵本もいつかどこかにいってしまっていませんか?
大好きだったゲームも廃盤になってしまっていませんか?

そんな悲しい状況を少しでも打破するために、ISBNで本を管理し、後世に残す確率を少しでも上げるのです。
逆旅出版としては、ISBNは国際的に認められた本の出生届であり、その本が世の中に存在した証明だと思っています。
誠心誠意つくった本だからこそ、後世に残すためにもISBN・日本図書コードを付けるようおすすめしています。

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